多くの方は、鎌倉と奈良の大仏は、大きさぐらいしか違いがないと思っていませんか?

実際は違う人?ではなく“仏”です。

大仏の違い

奈良の大仏は、『盧舎那仏(るしゃなぶつ)』

鎌倉の大仏は、『阿弥陀如来(あみだにょらい)』

それぞれモチーフが違います。

奈良の大仏 ー 盧舎那仏(るしゃなぶつ)

奈良の大仏の写真

奈良時代に建立された大仏です。

ただし、平安時代の末期と室町時代の末期に、どちらも戦火により一部焼失しており、建立当時のものはごく一部になってしまっています。

盧舎那仏

毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)、毘盧遮那如来(びるしゃなにょらい)とも言われます。

宗派や教義や見解などによっては、大日如来と同一視されていたり、釈迦如来とも同一視されていたり、そもそも盧舎那仏自体の存在を否定していたり、仏はすべて同一だ!などと、収集がつかなくなってしまいますので、それについてはまた後日。

奈良の大仏がある東大寺は、華厳宗の総本山なので、華厳宗に於いての盧舎那仏としては、

宇宙の真理としての存在であり、その教えを説く存在とされています。

人としての釈迦(ゴーダマ・シッダールタ)より高位の存在とされています。

鎌倉の大仏 ー 阿弥陀如来(あみだにょらい)

鎌倉の大仏の写真

こちらは、鎌倉時代後半に建立されたというのが有力な説ですが、詳しい書物が残っておらず、ハッキリしていません。

元々は木造であり、のちに鋳造で作り替えられているという話もあります。

その木造の大仏は鋳造の原型であるとも考えられています。

ですが、どれもまだ未確定の情報です。

現在は、悪く言えば野ざらし状態の大仏ですが、もともとは大仏殿が存在したようです。これは史実として残っているようです。

鎌倉時代後半以降といえば、歴史残らない度・抹消される度・改変される度で見れば、日本史上最激動の時代とも言えるので、史実が残っていないのも仕方ないと思います。

阿弥陀如来

鎌倉時代に“他力本願”で大流行した『浄土真宗の本尊』です。

浄土真宗においては、釈迦に教えを説いた仏とされています。その教えを元に釈迦が仏教を作ったという考えです。

また、光の象徴のようにも捉えられています。仏の多くは後光が差していたり、光輝いているイメージですが、その光が最も強く、闇を払う力が強い仏とされています。

まとめ

  • 奈良の大仏と鎌倉の大仏は違う仏
  • 奈良の大仏は華厳宗の『盧舎那仏』、鎌倉の大仏は浄土真宗の『阿弥陀如来』
  • 奈良の大仏は奈良時代、鎌倉の大仏は鎌倉時代に建立