葬儀を安く済ませたい、という話はよく聞きます。事情は様々だと思いますが、一番多いのは「経済的理由」によるものだと思います。

“安く済ませたいから『神式』にする”といったご意見も聞いたことありますが、その点については以下の記事をご覧ください。

▶︎神式の葬儀が安いってホント?

平均的な葬儀の金額は…

2017年の葬儀費用の全国平均は190万円強としているサイトを多く見かけましたが、2015年の平均が150万円弱(政府統計のデータ)だったことから考えると、ちょっと上がりすぎというか、信憑性が低い気もします。ソースが不鮮明なものも多いので。

▶︎データで見る葬儀関係費用の実態

ただ、2014年は180万円強だったので、まるっきり違うということもないとは思いますが。減少傾向だったものが、物価の上昇などに合わせて額面として上昇しているのかなと思います。

なので、全国平均は幅をもたせて、160万円〜190万円としておきます。この価格をベースに高い安いという判断をさせていただきます。今回紹介する葬儀形式はこの価格には全く届かないので、なんとなくの価格帯を覚えておけば大丈夫です。

では、“安い葬儀”の現在の代表となっている「直葬」と「家族葬」について見てみましょう。

もっとも費用がかからないのは「直葬」

おおよその費用は『10万円〜30万円程度』になります。

「火葬式」とも呼ばれ、宗教的な“式”を行わないので、その分費用を大きく削減することができます。

葬儀の流れ図解

葬儀全体の中で、費用が大きくなるのは、通夜・葬儀における「ホール使用料」「人件費」「返礼品や食事代」です。

移送や棺などの備品にかかる費用などを考えずに火葬料だけをみれば、費用は10,000〜80,000円程度です。(市区町村ごと、または市区町村民であるかによって異なる)

メリット

  • もちろん費用が安く済むことです。儀礼的なものはあくまで宗教によるものであるため、やるやらないは選択の自由とも考えられます。
  • 菩提寺に納める(住職に支払う)お布施も少なくて済みます。
  • 時間的コストや作業コストも大幅に削減されます。

デメリット

  • 「直葬を選んだからといって、故人への想いが軽いわけではない」みたいな文句を掲げているところが多いですが、少なくとも周りからは「故人を蔑ろにしている!」と思われることが多いです。これは他人よりも親族内でトラブルになるケースが多いようです。
  • 葬儀を催して一斉に弔辞を受けることができないため、自宅にそれぞれ弔問客が訪れ、余計に手間がかかる場合があります。
  • 香典・弔意金を費用に充当できづらくなります。
  • (実質的なものではありませんが)儀式的なものを行わず、早急に完了してしまうため、心の切り替えや落ち着きを取り戻す時間がありません。
  • 菩提寺に拒否されることがある。中には「普通に式を行わないなら、ウチのお墓には入れない」と言われることもあります。

間をとれば「家族葬」

おおよその費用は『30万円〜70万円程度』になります。

近年人気が出ている葬儀のカタチです。通夜・葬儀は行いますが近親者のみの簡略化された葬儀となるため費用を抑えることが可能です。

ただ、「家族葬」というものが出てきた当初は、本当に家族だけの葬儀を指す言葉でしたが、現在では「家族葬」が人気ということで、“ちょっと多めでも家族葬って言っちゃおう”という流れで、50人くらいまでは「家族葬」として売り出していることが多いです。(家族の定義とは?w)

簡略化されるモノ、費用を抑えられるモノ

  1. ホール使用料が安い。(専用の小さなホールを使う場合が多い)
  2. 祭壇は専用ホールの備え付けをそのまま使うことが多い。(レンタル料が安い)
  3. 返礼品がない。(弔問客がいないため)
  4. 食事を行わない場合が多い。
  5. 案内などの人件費が削減できる。

前述した費用が大きくなりがちな「ホール使用料」「人件費」「返礼品や食事代」を削減できるため、全体の費用を抑えることが可能です。

メリット

  • 「直葬」ほどではないが費用が抑えられます。
  • 時間や手間も同時に抑えられます。
  • 「直葬」ほど菩提寺に嫌な顔をされない

デメリット

  • 招待されなかった人から文句を言われる場合があります。
  • 香典が多くは集まらないため、大きな葬儀より費用に充当される割合が少なくなる場合があります。