一家の大黒柱が亡くなってしまった場合に、残された家族の生活を支えるための制度に「遺族年金」というものがあります。

ただし、これは誰でもが受け取れるわけではありません。その条件を確認していきましょう。

年金イメージ

遺族年金の権利発生のための最低条件

  1. 亡くなった方が年金に加入している(していた)
  2. その納付がしっかりと認められている(免除を含む)
  3. 亡くなった人によって生計が維持されていた

大きく分けると以上の3点をいづれも満たすことが最低条件となります。

細かく見てみましょう。

1.亡くなった方が年金に加入している(していた)

現在年金を納めていた人、年金を納めていたけどまだ受給していなかった人、すでに年金を受け取っていた人がこれに該当します。(1級・2級の障害厚生年金も含む)

ちなみに年金の受給には日本国内に住所があることが前提なので、海外に住所を移した方は含まれません。

2.その納付がしっかりと認められている(免除も含む)

権利を認められるためには、加入期間の2/3以上を納付もしくは免除されている必要があります。

また、死亡の2カ月前より1年間に未納、滞納が無いことが条件となります。(亡くなった方が65歳未満の場合)

3.亡くなった人によって生計が維持されていた

まず、遺族の年収が850万円未満でなくてはなりません。(「年収800万円で遺族年金って」と思う方もいるとは思いますが…)

また、生計を同一にしていたという事実確認が必要になります。同居であれば問題ありませんが、別居となると認めさせるのが困難になる場合もあります。

誰が何を受給できるのか?

亡くなった方が加入していた年金の種類によって受け取れる内容と額が変わります。

また、受給できる範囲が異なります。

受給できる遺族年金の種類は2つあります。

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類あります。
(※遺族共済年金は、遺族厚生年金に一元化されました。)

単純には、

  • 亡くなった方が国民年金に加入していた場合、遺族は遺族基礎年金を受給できる。
  • 亡くなった方が厚生(共済)年金に加入していた場合、遺族は遺族厚生年金を受給できる。

となります。

 

加入していた年金 対象者 受給の種類
国民年金 子、子のある配偶者 *1 遺族基礎年金
子の無い配偶者
厚生(共済)年金 子、子のある妻 *1 遺族基礎年金
遺族厚生年金
子の無い妻(30歳未満) 遺族厚生年金(5年間のみ)
子の無い妻(30〜40歳未満) 遺族厚生年金
子の無い妻(40歳〜65歳未満) 遺族厚生年金
中高齢寡婦加算
子の無い夫(55歳以上) 遺族厚生年金
孫 *1 遺族厚生年金
父母・祖父母 遺族厚生年金

*1 子・孫の条件として、年齢が18歳未満であること、または20歳未満で障害等級1級または2級であること

共済年金→厚生年金について

平成27年10月1日より共済年金は厚生年金に一元化されました。よって、平成27年9月までに受給権(もらえる権利)が発生していない方は厚生年金を受給することになります。ただし、共済加入期間が考慮され、実際の受給額は厚生年金より高くなります。