神奈川県の大和市では、単身者や老夫婦のみで亡くなった後に不安を抱える世帯に対して、「葬儀生前契約」という取り組みを行っています。
企業が行なっているものは数多くありますが、自治体が行なっているのは珍しかったので紹介します。
対象となる条件や支援の内容を確認してみましょう。
*2018年5月24日17:00 追記*
今期に入って大和市のホームページより、『葬儀生前契約』のページが削除されていました。調べてはいませんが、この事業はやめてしまったようですね。
対象となる人・条件
身寄りがいない単身者や高齢の夫婦のみの世帯などで、葬儀を行う人がおらず、生活にゆとりがない方。
- 大和市民である
- 健康保険料等を差し引いた月収額が概ね16万円以下(単身者の場合)
- 本人の預貯金が原則100万円以下(単身者の場合)
- 本人が所有する不動産がない
- 本人の葬儀生前契約に関する意思が明瞭である
(大和市ホームページより)
支援の内容
「独り身なので、死後の葬儀に不安がある…」などの相談があると、市は葬儀生前契約プランを提案してくれます。
葬儀生前プラン内容
- 生活保護の葬祭扶助基準額(平成28年度;206,000円)以内での葬儀〜納骨までを含む内容
- 葬儀を行うのは指定の協力葬祭事業者
※本人の希望により、基準額を超える契約を結ぶ事も可能です。
プラン締結の流れ
【契約】
- 葬儀の相談
- 協力葬祭事業者を紹介
- 葬祭事業者からプランの提案
- (提案が合えば)契約の締結と代金の支払い
※契約時は市の職員が立ち会います。 - 契約書の写しを、本人・葬祭事業者・市がそれぞれ保管する。
- 市から登録カード(携帯用・自宅掲示用)が発行される
契約後は、定期的に市より安否確認が入ります。
【死亡確認】
- 生前契約に基づいて、葬儀および納骨を行う。
- (希望者のみ)市が知人等に他界の連絡を入れる。
その他の支援
「身寄りがあるけど、費用が心配…」
協力葬祭事業者の情報を提供してくれます。
市の立ち会いなどはありません。協力業者に相談して、個別にプラン提供を受けられます。
「財産の相続・処分の相談がしたい」
行政書士会・司法書士会の窓口を紹介してくれます。
その上で、葬儀に不安がある場合は、相談先の行政書士さん、司法書士さんに相談しましょう。
まとめ
“市民葬”を行っている自治体を調べている際に発見した行政サービスです。
あまり多くはありませんが、自治体が独自に行っているサービスが他にもありましたら、また紹介したいと思います。
協力葬祭事業者のリストなどのさらに詳しく知りたい方は、大和市ホームページ 葬儀生前契約支援事業をご確認ください。