日蓮宗は、『南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)』で有名なあの宗派です。「なむあみだぶつ」「なんまいだ」に並んで有名なお経ではないでしょうか。
今回は鎌倉時代に生まれた『日蓮宗』の仏具の配置について調べてみます。
日蓮宗の仏壇内仏具配置
他の宗派とは違う点が多いので、しっかりと確認しましょう。
本尊
日蓮宗は、日本仏教では珍しく本尊としての仏を祀りません。
大曼荼羅と三宝尊を祀ります。
大曼荼羅、三宝尊それぞれのみの場合もあります。
大曼荼羅には、日蓮宗のお題目である『南無妙法蓮華経』が記されます。
日蓮宗では、法華経がもっとも尊いものなので、それが記されているこの二つが最も高い位置に祀られます。
宗祖
本尊の下に宗祖・日蓮聖人(大聖人)の像を祀るのも、他宗派には無い特徴です。
脇侍
向かって右に「鬼子母神」、左に「大黒天」を祀ります。
鬼子母神は、“きしもしん”もしくは“きしもじん”と読むそうです。(わたしは“きしぼしん”だと勘違いしていました。)
かいつまんで説明すると、元々は人に害なす(人を食べる)存在だったが、釈迦に諭されて、仏教の守護神になった。
法華経では、鬼子母神は法華経信者・信仰の守護者とされているため、日蓮宗でも重要な存在になっています。
大黒天は、皆さんご存知かと思われます。七福神にも含まれていますね。
ただし、七福神信仰は仏教から少しズレるので、この話題ではあまり関係ありません。
日蓮宗においての大黒天の位置付けは正直よくわかりませんでした。
日蓮聖人が大黒天信仰を勧めている文書が存在したようですが、真偽が明確ではありません。
個人的な見解を述べさせてもらえば、鎌倉時代後期から室町時代にかけて流行した大黒天信仰が日蓮宗布教の過程で加えられ、もしくは混ざり、今に至るのではないでしょうか。
その他
前述の通り、法華経が重要なので、経本をしっかり祀りましょう。