個別の詳細については後に解説するとして、まずはこれだけの数の手続きがあるということを覚えておいてください。
特に行政サービス等の期限は、『優しさ』設定されていませんので、「重要!」の期限だけでも確認しておくことをおススメします。

サービスの解約や相続についても、貰い損・払い損が起こりうるので、期限だけはチェックしておきましょう。

■ 死亡から埋葬まで
死亡届の提出 重要!
死体火葬(埋葬)許可証 重要!
■ 死後速やかに
銀行引き落とし口座の変更 重要!
年金受給停止の手続
運転免許証の返却
パスポートの返却
■ 死後14日以内に行う手続き
住民票の抹消届
世帯主の変更届
国民健康保険証の返還
介護保険資格喪失届
■ 死後1ヶ月以内
雇用保険受給資格者証の返還
■ 相続確定後
相続税の申告および納税 重要!
相続の放棄 重要!
クレジットカードの解約・精算
不動産の名義変更
預貯金の名義変更
株式の名義変更
自動車所有権の移転
借地、借家の名義変更
自動車保険(自賠責・任意)
家屋の火災保険
電話(加入固定電話)の名義変更
公共料金の名義変更
☆ 忘れがちだけど大事!
所得税準確定申告および納税 重要!
携帯電話の解約
介護サービス、給食サービスなどの契約サービスの解約
■ 請求・給付金関連
生命保険金の請求 重要!
国民年金の死亡一時金請求 重要!
入院保険金の請求
死亡退職金
生命保険付住宅ローン(団体信用生命保険) 重要!
児童扶養手当認定請求 重要!
健康保険加入者の場合の埋葬料請求
国民健康保険加入者の葬祭費請求
労災保険の埋葬料請求
■ 遺族年金
国民年金の遺族基礎年金請求
国民年金の寡婦年金請求
厚生年金の遺族厚生年金請求
労災保険の遺族補償給付請求
■ 必要に応じて
復氏届
姻族関係終了届
子の氏変更許可申請

死亡から埋葬まで

死亡届の提出

期限 死亡を知った日から7日以内(国外にいる場合は3カ月以内)
提出先 故人の死亡地・本籍地、または届出人の所在地の市役所,区役所又は町村役場
必要なもの 死亡診断書又は死体検案書、どちらか1通
費用 無料
死亡診断書と死体検案書の違い

「死亡診断書」は、病死や老衰などの“自然死”(死因が明確な死)について、医師が発行するものです。
対して「死体検案書」は、事故死・突然死・他殺・自殺、その他死因の不明確な死について、監察医等の検案によって作成される書類です。
2つとも内容はほぼ同じで、使用用途は同じです。ですが、その後の手続きに若干の違いがあるようです。

死体火葬(埋葬)許可証

死亡届を提出し、受理されると発行されます。
この許可証が無いと、火葬または埋葬が行えません。火葬場での手続きにも必要になります。

埋葬

埋葬、いわゆる土葬のことですが、「日本では土葬は禁止」ではありません。
よく勘違いされている方がいらっしゃいますが、法的にも土葬は認められています。
しかしながら、自治体によって禁止になっている都道府県があります。
主に、東京都などの人口密集地に多いです。土葬をお望みの場合は、墓地のある自治体の条例をご確認ください。

死後速やかに行わなくてはならない手続き

銀行引き落とし口座の変更

死亡が認められた際に、故人の銀行口座は凍結されてしまうため、引き落としも行われせん。
その間に引き落とし不能などが起こると、延滞料が発生する場合がありますのでご注意ください。

期限 死後速やかに
手続先 各金融機関
必要なもの 全相続人の同意書

年金受給停止の手続

期限 死亡後速やかに(国民年金は14日以内)
提出先 社会保険事務所、または年金事務所

運転免許証の返却

期限 死後速やかに
手続先 最寄りの警察署
必要となるもの 死亡診断書、戸籍謄本写し、印鑑

パスポートの返却

期限 死後速やかに
手続先 各都道府県の旅券課
必要となるもの パスポート、死亡の事実を確認できる書類(戸籍謄本等)

死後14日以内に行わなければならない手続き

住民票の抹消届

期限 死亡から14日以内
提出先 各市役所,区役所又は町村役場
必要なもの 届出人の印鑑と本人確認ができる証明書

世帯主の変更届

故人が3人以上の世帯の世帯主だった場合は届出が必要です。

期限 世帯主の変更(相続)から14日以内
提出先 各市役所,区役所又は町村役場
必要なもの 届出人の印鑑と本人確認ができる証明書

国民健康保険証の返還

期限 死亡から14日以内
提出先 各市役所,区役所又は町村役場
必要なもの 健康保険証、死亡を証明する書類

※会社の社会保険加入者の場合は、勤務先に保険証を返還します。
※故人の扶養家族として保険に加入されていた場合は、新たに国民健康保険への加入手続きが必要になります。

介護保険資格喪失届

期限 死亡から14日以内
提出先 各市区町村の福祉課など

死後1ヶ月以内

雇用保険受給資格者証の返還

期限 死亡から1カ月以内
提出先 受給していたハローワーク

相続に関する手続き

相続の確定後に必要なもの、確定前に必要なもの

相続税の申告および納税

期限 死亡日の翌日から10カ月以内
提出先 被相続人(故人)の住所地の税務署

相続の放棄

期限 相続開始を知った日から3ヶ月以内
提出先 被相続人(故人)の住所地の家庭裁判所

※「相続開始日」とは、死亡した日です。

クレジットカードの解約・精算

クレジットやキャッシュローンの未精算金・返済額が残っている場合は、遺産相続の対象となりますのでご注意ください。
場合によっては、支払い免除の手続きが可能な場合もあります。

期限 相続確定後速やかに
手続先 各クレジットカード会社

不動産の名義変更

故人の所有していた土地・建物などの不動産を相続する場合は、登記簿を名義変更します。

期限 相続確定後速やかに
提出先 地方法務局

預貯金の名義変更

故人名義の預貯金口座は、死亡届が受理された直後から相続が確定するまで事実上凍結されます。
相続人を確定した後、名義を相続人へ変更することが出来ます。

期限 相続確定後速やかに
提出先 銀行などの各金融機関

株式の名義変更

故人名義の株式は、死亡届が受理された直後から売買が出来なくなります。
相続人を確定した後、名義を相続人へ変更することで売買を行うことができます。

期限 相続確定後速やかに
提出先 証券会社または、株式発行法人

自動車所有権の移転

自動車は相続財産(遺産)となる動産です。相続人を確定した後、名義を相続人へ変更できます。その後、売却または使用等が可能になります。

期限 相続確定から15日以内
提出先 陸運局支局

借地、借家の名義変更

期限 相続確定後速やかに
提出先 家主及び契約会社

自動車保険(自賠責・任意)

期限 相続確定後速やかに
手続先 各損害保険会社または代理店

家屋の火災保険

期限 相続確定後速やかに
手続先 各損害保険会社または代理店

電話(加入固定電話)の名義変更

期限 相続確定後速やかに
手続先 電話のみの場合は通常NTT、光回線使用の場合は各契約会社

公共料金の名義変更

期限 相続確定後速やかに
手続先 電力会社、水道局、ガス会社など

忘れがちなので注意!

所得税準確定申告および納税

故人の前回の確定申告から現在までの分については、申告及び納税義務があります。

期限 死亡から4カ月以内
提出先 故人の住所地の税務署、または勤務先

携帯電話の解約

解約手続きを行うまでは、使用料が発生し続けます。しかし、連絡が来る可能性がある場合などはしばらく様子を見ましょう。

期限 任意の時期に
手続先 各契約会社

介護サービス、給食サービスなどの契約サービスの解約

期限 死後速やかに
手続先 各サービス契約先

保険金・補助金などの請求について

生命保険金の請求

故人が生命保険に加入していた場合、請求によって死亡保険金が支払われます。逆に請求しなければ、支払われません。

期限 死亡から2年以内
手続先 契約していた保険会社

国民年金の死亡一時金請求

国民年金の保険料を3年以上納めた人が、老齢基礎年金、障害基礎年金のどちらも一度も受け取らずに亡くなったとき、故人と生計をともにしていた遺族に、保険料納付期間に応じた定額の「死亡一時金」が支払われます。

期限 死亡から2年以内
手続先 亡くなった方の住所地の市区町村国民年金課など

入院保険金の請求

期限 死後速やかに
手続先 契約していた保険会社
必要なもの 入院証明書

死亡退職金

期限 死後速やかに
手続先 故人の勤務先

生命保険付住宅ローン(団体信用生命保険)

期限 死後2か月以内(3年で権利失効)
手続先 借入先の各金融機関
必要なもの 死亡診断書、受取人の印鑑証明、戸籍抄本、その年の源泉徴収票、相続関係説明図、被保険者(亡くなった方)の除籍謄本

児童扶養手当認定請求

期限 世帯主の変更(相続)から14日以内
提出先 各市役所,区役所又は町村役場
必要なもの 届出人の印鑑と戸籍謄本

健康保険加入者の場合の埋葬料請求

企業や団体の健康保険組合に加入していた人(本人・家族とも)が亡くなった場合、葬儀・埋葬の補助として5万円が支給されます。

期限 死亡から2年以内
手続先 健康保険組合、または社会保険事務所

国民健康保険加入者の葬祭費請求

国民健康保険の被保険者が亡くなった場合、葬祭費(1〜7万円 自治体によって異なる)が支給されます。

期限 葬儀から2年以内
手続先 被保険者(故人)の住所地の市区町村国民健康保険の窓口

労災保険の埋葬料請求

労働者が業務上の事故が原因で亡くなったときに、遺族に労災保険から埋葬料が支給されます。

期限 葬儀から2年以内
手続先 故人の勤務先を所管する労働基準監督署

遺族年金に関する手続き

国民年金の遺族基礎年金請求

国民年金加入している人が亡くなった場合、故人によって生計が維持されていた子どものいる妻、または子どもには年金が支給されます。ただし、故人が保険料を納付している期間(免除期間を含む)が加入期間の3分2以上あり、亡くなった月の2カ月前までの1年間に保険料の未納がないことが条件になります。故人の年齢に条件はありません。

期限 死亡から5年以内
手続先 故人の住所地の市区町村国民年金窓口
必要なもの 年金手帳、戸籍謄本(記載事項証明書)、世帯全員の住民票の写し、死亡者の住民票の除票、請求者の収入が確認できる書類(所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票、等)、子の収入が確認できる書類、死亡診断書(死体検案書等)のコピーまたは死亡届の記載事項証明書、受取先金融機関の通帳等(本人名義)、印鑑

国民年金の寡婦年金請求

国民年金保険料の納付済期間(免除期間も含む)が25年以上ある夫が、年金を受け取らないうちに亡くなった場合、故人と生計をともにしていた妻には寡婦年金が支給されます。
ただし、結婚期間が10年以上ある子どものいない妻で、65歳未満であることが条件です。支給額は故人が受け取ることのできた老齢年金の75%の金額、支給期間は妻が60〜65歳の間です。

期限 死亡から2年以内
手続先 住所地の市区町村国民年金窓口
必要なもの 年金手帳、戸籍謄本(記載事項証明書)、世帯全員の住民票の写し、死亡者の住民票の除票、請求者の収入が確認できる書類(所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票、等)、受取先金融機関の通帳等(本人名義)、年金証書、印鑑

厚生年金の遺族厚生年金請求

厚生年金保険料の納付済期間(免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上ある人が、次のどれかに当てはまるケースで亡くなった場合、遺族には厚生年金遺族年金(故人の年金額の4分の3)が支給されます。

  1. 厚生年金加入者が在職中に亡くなったとき
  2. 退職などで厚生年金から脱けた後、加入中の疾病によって死亡したとき(初診日が加入中で、その後5年以内の死亡が認められた場合)
  3. 老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡したとき
  4. 1級・2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡したとき
期限 死亡から5年以内
手続先 故人の勤務先を所管する社会保険事務所
必要なもの 年金手帳、戸籍謄本(記載事項証明書)、世帯全員の住民票の写し、死亡者の住民票の除票、請求者の収入が確認できる書類(所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票、等)、子の収入が確認できる書類、死亡診断書(死体検案書等)のコピーまたは死亡届の記載事項証明書、受取先金融機関の通帳等(本人名義)、印鑑

労災保険の遺族補償給付請求

労働者が業務上の事故が原因で亡くなったときに、故人によって生計を維持されていた遺族には労災保険から遺族補償年金が支給されます。

期限 死亡から5年以内
手続先 故人の勤務先を所管している労働基準監督署
必要なもの 戸籍謄本(記載事項証明書)、請求者及び他受給資格者の収入が確認できる書類(所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票、等)、死亡診断書(死体検案書等)のコピーまたは死亡届の記載事項証明書、受取先金融機関の通帳等(本人名義)、印鑑

必要に応じて

復氏届

婚姻によって氏を変更した方が、相手の死別により、婚姻前の氏に戻るための届出。
相手方の親族との姻族関係を終了させるには、別途「姻族関係終了届」が必要となります。

期限 任意の時期
手続先 各市役所,区役所又は町村役場
必要となるもの 印鑑、戸籍謄本

姻族関係終了届

期限 任意の時期
手続先 各市役所,区役所又は町村役場
必要となるもの 印鑑、戸籍謄本

子の氏変更許可申請

家庭裁判所にて、「変更許可審判書」を得た後に、役所に審判書謄本と入籍届けを提出する。

期限 任意の時期
手続先 子の住所地の家庭裁判所及び親の住所地または本籍地の各市役所,区役所又は町村役場
必要となるもの 印鑑、戸籍謄本(親子それぞれ)